受け口
下顎前突(かがくぜんとつ)・受け口・
切端咬合(せったんこうごう)とは
受け口とは、上下の歯が噛み合う際に、下の歯が上の歯より前に出てる噛み合わせをいいます。
これは、顎の骨格や咬合(こうごう)の不均衡などが原因となります。
また下の前歯と上の前歯が先端でぶつかっている噛み合わせもこの分類に入ります。
受け口は外見に影響を与えるだけでなく、咀嚼機能にも影響を及ぼすことがあります。
叢生(そうせい)・八重歯・
受け口を放置した場合
- 奥歯のう蝕(虫歯)が多い 受け口の方は奥歯が舌の方に傾斜していることが多く、歯ブラシが届きにくいのです。また奥歯に唾液がまわりにくいのです。
- あごの関節が痛みやすい 前歯が反対になっているため噛み合わせが安定せず、重篤な関節症状が出やすいのです。
- 顔立ちが受け口の顔になる 来院する患者様のほとんどが不機嫌そうに見られるという悩みをもっていらっしゃいます。
- 歯肉(歯ぐき)のラインが下がりやすい 受け口の方の下の歯肉はもともと薄いという特徴があります。少しの炎症でも影響を強く受けます。
CASE01. 下顎前突
BEFORE
AFTER
主訴 | 受け口(前歯の反対咬合)と歯のでこぼこを治したい。 |
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診断内容 | 骨格性Ⅲ級(下顎過成長)骨格性受け口 歯性Ⅲ級、歯性反対咬合 上顎右側第2大臼歯カリエス(虫歯)により抜歯欠損 下顎右側第1,第2大臼歯カリエス(虫歯)により抜歯欠損 叢生 |
治療方法 | 抜歯:非抜歯 治療に用いた装置:上下顎表側に装着するマルチブラケット装置(表側矯正) |
治療結果 | 歯根吸収は認められませんでした。カリエスリスク(虫歯リスク)が高い方ですが、治療途中でカリエスになることはありませんでした。 右側下顎臼歯部が欠損のためアンカースクリューにて下顎臼歯を後方に下げるプランでしたが麻酔の針が怖い(先端恐怖症)があるとのことで、顎間ゴムに変更しました。これにより治療期間が半年伸びました。反対咬合が治り良好な咬合関係になりました。ご本人も喜んでスマイルできるようになりました。とおっしゃっています。 |
治療費 | 基本料金900,000円+調整料 (税別) |
治療期間 | 2年6ヶ月 |
通院頻度 | 1~2ヵ月に1回 |
治療後のリスク | 矯正治療による歯の移動に伴う痛みがあります。下顎右側臼歯が欠損しているので治療期間が長引く可能性があります。治療終了後の保定が不十分の場合、後戻りの可能性があります。矯正治療後インプラントによる補綴が必要になります。したがって矯正費用+補綴費用がかかります。 |
CASE02. 下顎前突
BEFORE
AFTER
主訴 | 受け口、顎が右に曲がっている。歯がでこぼこしている。 下の歯が上の歯よりも前に出ている。 |
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診断内容 | 骨格性Ⅲ級(下顎骨前方位) 骨格性受け口 顎変形症(下顎骨右遍) |
治療方法 | 抜歯:下顎右側第1小臼歯 治療に用いた装置:カスタムメイド型矯正装置(インビザライン) |
治療結果 | 歯根吸収は認められませんでした。治療後2年経過時点で後戻りはありません。 ミッドコースコレクションは計3回行いました。初診時下顎右遍でしたが、咬合不全を治療することにより、下顎位が動き下顎右遍が減りました。顎間ゴムを使用しました。良好な結果が得られました。 |
治療費 | 基本料金1,100,000円+調整料 (税別) |
治療期間 | 2年6ヶ月 |
通院頻度 | 3〜5カ月に1回 |
治療後のリスク | カスタムメイド型矯正装置(インビザライン)による治療なので、使用時間が短いと良好な結果が得られません。紛失すると治療計画に影響が出ます。顎間ゴムを使用予定ですので、ゴムをしっかり使用しないと良好な結果が得られません。 |
CASE03. 下顎前突
BEFORE
AFTER
主訴 | 前歯が反対になっている。(反対咬合) |
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診断内容 | 骨格性Ⅲ級 (上顎骨過成長および下顎骨過成長) 前歯部反対咬合 過蓋咬合 上顎叢生 |
治療方法 | 抜歯:非抜歯 治療に用いた装置:インビザライン (マウスピース矯正) |
治療結果 | 前歯部反対咬合の改善が行われ、それに伴い顔貌の改善もみられた。上顎前歯部叢生が改善され、適切なオーバーバイト、オーバージェットが得られた。 |
治療費 | 基本料金1,100,000円+調整料 (税別) |
治療期間 | 2年8ヶ月 |
通院頻度 | 3カ月半に1回 |
治療後のリスク | マウスピースによる矯正治療なので装着時間を守っていただかないと治りが悪くなります。前歯部反対咬合を改善する途中で上顎前歯と下顎前歯がぶつかって臼歯が咬みにくくなる時があります。この時は柔らかい消化の良い食事などの工夫が必要になります。 |
CASE04.
小児矯正(初診時10歳)
BEFORE
AFTER
主訴 | 受け口、歯のでこぼこが気になる。 |
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診断内容 | 骨格性Ⅲ級(上顎骨劣成長) 骨格性受け口 上顎前歯部叢生 前歯部反対咬合 |
治療方法 | 抜歯:上顎左右第1小臼歯 治療に用いた装置:上顎前方牽引装置 上下顎表側に装着するマルチブラケット装置(表側矯正) |
治療結果 | 上顎の劣成長による受け口でしたので、上顎前方牽引装置を用いて上あごの成長促進を行いました。リスクとして、 ・成長バランスを整える治療なので、治療期間が長くなりました。 ・乳歯のカリエスがあったので途中で治療を行いました。 ・後戻りは現在のところ認められません。 ・毎日寝る時に装着する装置が大変だったと思います。 成長のバランスを整える→歯列の叢生改善と良好な治療が行えました。 |
治療費 | 基本料金477,000円+調整料 (税別) |
治療期間 | Ⅰ期治療3年・Ⅱ期治療2年 |
通院頻度 | Ⅰ期治療4~6カ月に1回・Ⅱ期治療1カ月に1回 |
治療後のリスク | 前方牽引装置の効果は使用時間に依頼するので使用時間が短ければ期待通りの結果が出せません。ブラケットによる矯正装置は歯磨きが悪いと虫歯になりやすいので、毎日食後しっかりと磨かなければなりません。抜歯後、痛みがでます。抜歯後口腔内を不潔にしているとが治癒が遅くなることがあります。 |